シミュレーション作成実習2

 左画面から、以下に紹介している「進行波の作成実習マニュアル」のA4版PDFファイルをダウンロードできます。

 ご利用下さい。


2.斜方投射物体の運動シュミレーション作成

 

 χy軸の原点から仰角θ、初速度υ、で投射された物体の運動の様子を再現してみます。

 重力加速度をgとしたとき、時刻tにおけるXyの変位は、

  X=υ*t*Cosθ

  y=υ*t*Sinθー(1/2)*g*t^2

 と表されます。これを散布グラフとTimerを使ってtの変化とともに動く点として表現します。

 

作業手順1 スピンボタンで「Timer」を作る。 

 右図のように、A1には「カウンター」、B1には「⊿t」、C1にはtと記しておきます。(書いてなくとも動きには関係ないが。

 後でこれから作るスピンボタンとA2をリンクするのでA2にカウント数が表示されるようになります。

 B2には1カウントごとの時間間隔⊿tの数値を書き入れます。(とりあえず0.01とします。)

 C2には「=A2*B2」という計算式を記述しておきます。

 右図のように、[開発]タブから「挿入」→「AxtiveXコントロール」→「スピンボタン」をクリックしA3セル付近にドラックし右図のようなスピンボタンを貼り付けます。

 

  [開発] タブが表示されていない場合は、

[ファイル] タブから、[オプション] の[リボンのユーザー設定]画面を表示させて、 [メイン タブ] の下の [開発] チェック ボックスをオンにします。

 

 

作業手順2 とリンクさせたxy座標を表示します。

 スピンボタンの上で右クリックし、「プロパティー」をクリックし一覧を表示し、LincdeCellには A2Maxには10000位大きければ良い)を記述する。

 

次に今の状態が「デザインモード」状態なので解除する。解除は。「開発」タブで表示される画面(右上図)の「デザインモード」をクリックしON/OFFを行う。

 

 

作業手順2 とリンクさせたxy座標を表示します。

 まず、基礎データとして初速度をυ=10(m/s)、仰角をθ=45(度)として、E2に10F2に45を入力します。

 次に、仰角θの値を[rad]に変換するため、F3セルに=pi()*F2/180 にという計算式を入れます。

 最後に、G2セルにはX=υ*t*Cosθ より

 =E2*C2*Cos(F3)

H2にはy=υ*t*Sinθ(/)g*t^2 より

 =E2*C2*Sin(F3)(/)*9.8*C2^2

 

という計算式を入れます。(画面をクリックして拡大

し確認してください。)

 

 

作業手順3 xy座標を、散布グラフで表示します。

 空白セルを選択していることを確認して、

 まず、①挿入タブ→ ②散布図→ ③散布図(マークのみ)をクリックし真っ白な散布グラフを表示する。

 

 うっかり「空白でないセルを選択」したりしていると自動的に散布グラフが作成されてしまいます。

 そうしたら次の操作で自動作成されたものをデータから削除するか、自動作成されたグラフをクリックし[Delete]キーで消してもう一度やり直すかしてください。

次に、グラフ上で右クリックして出てくるサブメニューから、「データの選択(E)」をクリックする。

 表示される(データソースの選択)ダイアログ(右図)で「追加」ボタンをクリックする。

 

  グラフ上に散布マークが自動生成されてしまっている場合はすでに「系列1」などと出ていますので、「系列1」をクリックし「✕削除」ボタンで消してから「追加」作業を行ってください。

 

 

 

 

 

 

 クリックしてで出てきた(系列の編集)ダイアログの系列Xの値欄にX値の入っているセル番地G2を、yの値欄にy値の入っているセル番地H2を記入(またはクリック指定)しOKボタンを押すと、「系列1」として設定されグラフの原点にの点が表示される。

 最後に、まずグラフが選択されていることを確認し

 

 すでに自動設定されている縦横軸の最大値や最小値を固定し勝手に動かないようにします。

 

①  [書式]タブ→左端の選択エリアリストから②「横(値)軸」を指定→③「選択対象の書式設定」→④  最小値=0、最大値15と固定値にする。(横軸上で右クリックし軸を選択してもよい)

 

 同様にして横(値)軸」の最小値=-3、最大値3と固定値にする。

 これらの数値は自動のままだと随時変化していき運動している状態が正確に認識できないので固定値にする必要があり、グラフの表示範囲を表しているので、初速度や仰角の値により自分の見やすい範囲であればよい。

 

 これでTimerのスピンボタンをクリックすれば、の点が原点から45度の角度で斜方投射され放物運動をする。

 

 スピンボタンをクリックしてみて下さい。

 

 スピンボタンを押しても「デザインモード」のままだと作動しません。そんなときは、前にいちど紹介した[開発]タブクリックで表示される「デザインモード」ON/OFFボタンを押して解除してください。


<操作上の注意!>

 

 計算式や関数が入っているセルは書き換えてはいけません。

 書き換えても良いのはそれ以外のセル(右図黄色セル)に限ります。

 Timerをリセットする時はA2セルのカウンターの値を0とします。

 物体の動きを速くするには、B2セルの⊿tの値を大きくします。逆にスローにするには⊿tの値を小さくします。

 


<考察>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

υ=0、θ=0としたときの運動は何運動?

υ=10、θ=90としたときの運動は何運動?

υ=10、θ=0としたときの運動は何運動?

υ=10、θ=ー90としたときの運動は何運動?

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<注>拡張子[xlsm]を指定して、マクロ有効ブックとして保存しておいてください。 


 追加作業その1    飛翔体を◆ではなくするには、

 グラフが選択されていることを確認し、①  [書式]タブ→左端の選択エリアリストから②「系列1」を指定→③「選択対象の書式設定」→④  「マーカーのオプション」→⑤ 「組み込み」のリストからを選択→⑥サイズ8と設定する。

 追加作業その2    飛翔体の軌跡を表示するには、

 飛翔体の軌跡を表示させるためには、ある一定時間間隔にとった時刻ごとの飛翔体の位置(X,y)の一覧表を作成し、各点を散布グラフで表せば軌道がマーカー●で表示される。

 次にTimerの時刻が過ぎたものから順次表示するように条件設定すれば、飛翔物体の後ろに軌跡として描かれる

 そこで、まず右図のように

J2セルに時間間隔の値として0.05を入力。

 

K2セルに時刻を入力。

 

K3セルに式 =K2+$J$20 を入力しそれをコピーしてK4~K45にペーストする。

 

L2セルに式 =$E$2*K2*COS($F$3) を入力しそれをコピーしてL3~L45にペーストする。

 

M2セルに式 =$E$2*K2*SIN($F$3)-(1/2)*9.8*K2^2  を入力しそれをコピーしてM3~M45にペーストする。

 次に、グラフが選択されていることを確認し、

 右クリックで出てくるサブメニューからデーターの選択」をクリックし、

 

「データソースの選択」ダイアログの「追加」ボタンを押し、

 

「系列名」に”軌跡”と入力し、

 

「系列Xの値」に、$L$2:$L$45 と入力または指定(図には Sheet2! が入っているが必要ない)し、

 

「系列Yの値」に、M$2:$M$45 と入力または指定(図には Sheet2! が入っているが必要ない)し、

 

  「OK] ボタンをクリックすると上図のように軌道がで表示される。

 

 最後に、(追加作業1)で説明したマーカーの変更方法を使って、グラフエリアの「系列軌跡」の書式のマーカーオプションでマオカーを、サイズをに設定すれば右図のような軌道画面が得られる。

 

 縦軸と横軸の縮尺が違うので、仰角が45度に見えない。

 気になる場合はグラフ角の↔で縮尺が同じになるようグラフの形を調整すればよい。

 

 飛翔体が通過してから各点のマーカーが表示されるようにするには、

L2セルの式 =$E$2*K2*COS($F$3) を IF(K2<$C$2、1000、$E$2*K2*COS($F$3) と書き換え、それをコピーしてL3~L45にペーストする。

 

M2セルの式 =$E$2*K2*SIN($F$3)-(1/2)*9.8*K2^2  を IF(K2<$C$2、1000、$E$2*K2*SIN($F$3)-(1/2)*9.8*K2^2  と書き換え、それをコピーしてM3~M45にペーストする。

 

これで、軌跡として表示されるようになる。

 グラフは、後から追加した系列のマーカーが画面の最前面に表示されるので、今回の場合は飛翔体の上に軌跡のマーカーがかぶさって表示されみっともない。

 そこでグラフ上右クリックの「データの選択」(右画面)の▼▲を使い、系列「軌跡」が系列1(飛翔体)の上に来るよう順序を交換すればよい。

 

 

 

 

 

 ここまでの実習で作成される.xlsmファイルの見本は、ここをクリックしてダウンロードできます。